形態素の習得

 

形態素とはなんでしょう? 英語ではmorphologyと言います。 日本語,英語ともに,型取ると意味があります。 簡単にいうと,ことばを作り上げるこまかい部分のことです。

日本語は,膠着語と呼ばれ,この部分部分をくっつけ合わせて言葉ができています。 

先生は天気が良くなると思っているらしいね。

先生 天気 良く なる おもっ ている らしいね

こんな感じに,こまかく一つ一つの形態素に分けることができます。 例えば,「おもっ」に「ている」をつけることによって,英語における進行形"〜ing"の働きを加えることになります。 さらに,「らしい」で「伝聞」の意味を,「ね」で共有の感情(Cook, 1992) の意味を加えることができます。

英語を学んだときに習った「仮定法」っていうのを憶えていますか? そうです,would have 〜ed てやつです。 この仮定法っていうのはなかなか憶えるのが厄介で,受験でも”コレが分からないと志望校に受からない”とか言われてたようなやつです。. 

で,英語を話すときにじゃあどうするかっていうと,いちばん簡単な方法が「使わない」って方法です。 

そう,仮定法って使わなくても,伝えたいことは文脈で通じます。 事実,言いたいことは伝わるから仮定法は使わないで英語を話す日本人はたくさんいます。 コレも立派な日本人の英語に関する中間言語なわけです。

一般的に,難しい部分を間違えるて使いつづけるか,それとも間違えるのを避けるために,使わないようにするの2種類の方j法を学習者は取ります。この場合,使うのを避ける方法を取っていることになります。

さて,日本語を学ぶ人は,どの形態素を間違えやすいのか,また,どの形態素を使うのを避けているのかなどを知ることは重要です。 どの順番で教えたらいいのかなど,カリキュラムを組む上で役に立ってきます。

松本(1999)は中国児童の一年間の縦断分析の結果,この児童が接続詞,指示詞,擬声擬態語の使用が日本人と比べると少ないと報告しています。 また,話者の気持ち,判断を加えるモダリティを表す助動詞の使用が少ないことも報告しています。

一方,誤用の一番多いものは,名詞,動詞,助数詞,助詞として,その内わけは,動詞に関しては,活用または時制の誤用,助動詞は選択の誤用としてます。 また,デス,マスは主に作文に使用され,会話中には使われていないとも報告しています。

判断を加えるモダリティとは,「〜らしい」とか「〜のよう」など,伝いたい情報に付け加えることによってその情報を話者自体がどう思っているのかをあらわします。 この表現が欠けていると,ただ単に事実を述べる平らな口調になってしまいます。 事実に関する情報は伝わるものの話者の気持ちや考えといった二次的なものを加えていくことが,外人さんの話す日本語の特徴といえるのでしょうか。

Cook, Haruko Minegishi, 1992, Meaning of non-referential indexes:  A case study of the Japanese sentence-final particle ne Text, 12, 507-539.
松本恭子,1999,ある中国人児童の来日2年目の語彙習得 −「取り出し授業」での発話と作文の縦断調査(形態素レベルの分析) −,第2言語としての日本語の習得研究,3号,36−56
 

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