外国語学習と中間言語研究

 

ここでは,実際に中間言語研究がどのように外国語学習を助けるのか,話していきたいと思います。 まず英語を学ぶ日本人を例に挙げて話を進めます。

中学高校ともあまりはっきり習わなかった冠詞の "the" と "a" の話からです。 日本人の英語における中間言語のなかで冠詞の習得は一番遅くなるものの一つです。 多くの英語を実生活で使っている人の間でも冠詞の習得は難しく,省略して会話をしてしまう日本人もかなりいます。 アメリカに10年住み英語を毎日のように使っている人でも,冠詞の使用を完全にマスターをするのは難しいことです。 

そんな,冠詞の使用を細かく要求している,現在の英語教育は疑問が残ります。 特に,受験英語の中で,冠詞の使用法を細部まで要求するということは,はっきり言って不可能なことを要求しています。 たとえ,分かるようになったとしても,それが本当に言葉として,使えるかは疑問です。 

同じようなことは,仮定法の使用,関係代名詞 などにも言えることです。 これらの用法は日本人にとって習得が難しいと中間言語研究により分かってきたことです。現在の英語教育には,学習者がどの表現も一応に学ぶことがカリキュラムの中に組み込まれているため,本当にマスターするには一生かかるような用法まで,他の表現と一緒に学ぶことになっています。  

中間言語研究はそんな無理なカリキュラムを改善しより簡単な外国語学習を可能にします。 したがって,もしその言語のある部分が,中間言語の研究から習得が難しいと分かるようになれば,その部分の習得に多大な時間を費やすかわりに,他にある比較的簡単な部分に時間をかけるようにカリキュラムを組みなおすことができます。

また,習得に時間がかかる部分はコミュニケーションに大きな妨げをもたらすことはないので,他の部分の習得に努力を費やす事ができるようになり,効率的かつ実用的な言語の習得ができるようになります。

 

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